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監修:国立がん研究センター中央病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科 医長 中村 英二郎 先生

VHL病に伴ういろいろながん/腫瘍の症状

中枢神経系血管芽腫

特徴

中枢神経系血管芽腫は、中枢神経系(脳と脊髄)の血管にできる腫瘍です。

発症率60~84%
発症年齢平均29歳

腫瘍ができやすい部位

日本の病院において、「VHL病に伴う中枢神経系血管芽腫でがん/腫瘍ができやすい部位」をアンケートで調査したところ、以下のような結果になりました。

脳下垂体0.9%、脳幹9%、小脳71.2%、脊髄18.9%を示す図

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P7-16, 2024

症状

腫瘍ができると、いろいろな症状があらわれます。

中枢神経系に腫瘍ができると、以下のような症状があらわれます。

症状である頭痛、吐き気、嘔吐、疼痛、歩行困難、感覚異常・運動異常、めまいを示すイラスト

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P7-16, 2024

検査と治療のながれ

経過観察、外科的治療、放射線治療が行われます。

他臓器疾患や遺伝性でVHL病が指摘され 中枢神経系血管芽腫を疑う場合のフロー図

§ Magnetic Resonance Imaging。磁気エネルギーを利用してからだの組織を検査し、これにより得られたデータをコンピュータで処理して画像にする技術です。放射線の被曝はありません。
治療前にがんの有無や広がり、他の臓器への転移がないかを調べる、治療の効果を判定する、治療後の再発がないかを確認するなど、さまざまな目的で行われます。

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), p7-16, 2024

経過観察

①VHL病と診断され、中枢神経系血管芽腫を疑う場合

  • 11歳から脳と脊髄のMRIによる精査を始めます。
  • 病変がなければ、その後1~2年ごとに1回脳と脊髄のMRIを行います。

②中枢神経系血管芽腫の病変が認められない場合

  • 過去のサーベイランスで中枢神経系血管芽腫を指摘されたことがない場合、65歳を超えて症状が認められなけば、以後、脳と脊髄のMRIは必ずしも1~2年ごとに1回の頻度で施行する必要はありません。

③妊娠を計画する場合

  • 脳と脊髄をMRIで調べて病変の評価を行います。

MRI検査のイラスト

中枢神経系血管芽腫が最初に指摘された場合のフロー図

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), p7-16, 2024

経過観察

①VHL病と診断され、中枢神経系血管芽腫を疑う場合

  • 11歳から脳と脊髄のMRIによる精査を始めます。
  • 病変がなければ、その後1~2年ごとに1回脳と脊髄のMRIを行います。

②中枢神経系血管芽腫の病変が認められない場合

  • 過去のサーベイランスで中枢神経系血管芽腫を指摘されたことがない場合、65歳を超えて症状が認められなけば、以後、脳と脊髄のMRIは必ずしも1~2年ごとに1回の頻度で施行する必要はありません。

③妊娠を計画する場合

  • 脳と脊髄をMRIで調べて病変の評価を行います。

④手術が適していない中枢神経系血管芽腫、または手術後に腫瘍が残っていて、VHL病がわかっている場合

  • 半年~1年ごとに1回の脳と脊髄のMRIを行います。

MRI検査のイラスト

外科的治療

⑤症状がある場合

  • 手術によって腫瘍を摘出します。
  • 脊髄や脳幹の腫瘍は進行すると症状が改善しづらいため、症状が軽いうちに摘出を考慮します。
  • VHL病に伴う中枢神経系血管芽腫では、手術を複数回受けることが多くなっています。

⑥症状がない場合

  • 原則的には経過観察を行います。
  • 急速に大きくなっている腫瘍や、小脳で2cm以上または脊髄で1cm以上の腫瘍などでは、症状がなくても手術が推奨されます。

放射線治療

⑤手術が難しい場合

  • 放射線治療が考慮されます。
  • 嚢胞(液体がたまった袋状の構造)が問題となっている場合には、放射線治療は効果が薄いとされています。

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P7-16, 2024

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