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監修:国立がん研究センター中央病院 泌尿器・後腹膜腫瘍科 医長 中村 英二郎 先生

VHL病に伴ういろいろながん/腫瘍の症状

網膜血管腫

特徴

網膜血管腫は、網膜の血管にできる腫瘍です。

発症率40~70%
発症年齢平均25歳

網膜血管腫の分類

1. 網膜周辺部型

  • 腫瘍が網膜周辺部(中心以外の部分)にとどまるタイプです。
  • 早めに発見して完治すれば、ものを見る機能を温存できる可能性があります。
  • 発見や治療が遅れて網膜剥離§をきたすと、ものを見る機能をうまく残すことができません。

    §何らかの原因により、眼球の内側にある網膜が剥がれて視力が低下する病気です。

2. 傍視神経乳頭型

  • 腫瘍が視神経乳頭(視神経が集まっているところ、図参照)の周辺にできるタイプです。
  • 治療が難しく、ものを見る機能をうまく残せないことが多いとされています。

視神経のイラスト

(イメージ図)

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P22-25, 2024

症状

初期は症状がありませんが、網膜剥離が起こるといろいろな症状があらわれます。

網膜剥離が起こると、以下のような症状があらわれます。

症状である視力の低下、霧視(目がかすむ)、歪視(ものが歪んで見える)、視野欠損(ものが欠けて見える)を示すイラスト

(イメージ図)

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P22-25, 2024

検査と治療のながれ

血管腫の位置や大きさなどに応じて治療法を検討します。

検査・治療のフロー図

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編,フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P22-25, 2024

経過観察

①VHL病と診断された親をもつ場合

  • 0歳から眼底検査を行い、サーベイランス検査を開始します。

②眼底に病変を認めない場合

  • 少なくとも1年ごとに経過観察を継続します。

《眼底検査とは》

眼底検査は、眼底カメラなどを使って目の奥の部分を調べる検査です。
目の奥の部分には血管や網膜、視神経などがあり、ここを調べることで腫瘍ができているかどうか、網膜剥離が起きていないかどうかなどがわかります。

眼底検査のイラスト

治療

③網膜周辺部型の場合

  • 網膜レーザー光凝固術を行います。
  • 状況に応じて、冷凍凝固術や硝子体手術を検討します。

④傍視神経乳頭型の場合

  • 経過観察を行います。
  • 状況に応じて、網膜レーザー光凝固術を検討します。
  • 血管腫が大きくなりすぎた後や、黄斑部に元の状態に戻らないような変化をきたした後では、治療の効果やものを見る機能の回復が見込めない可能性があります。

視神経のイラスト

(イメージ図)

《網膜レーザー光凝固術とは》

網膜レーザー光凝固術は、網膜の病気に対する治療です。網膜の病変が生じている部分に、特定の波長のレーザー光を当てて凝固させることによって病気の進行を抑えます。
この治療は、あくまでも網膜の病気の進行を抑えることを目的としたものであり、視力の回復は保証されないことに注意が必要です。

レーザー光凝固のイラスト

(イメージ図)

《冷凍凝固術とは》

冷凍凝固術では、マイナス80度程度の金属棒を目の外側(強膜)に当てて低温が網膜に伝わることで病変部位を凍結させて萎縮させます。

《硝子体手術とは》

硝子体手術とは眼の硝子体と呼ばれる組織を除去し、網膜硝子体の病気を治す手術です。

眼の構造のイラスト

フォン・ヒッペル・リンドウ病における実態調査・診療体制構築とQOL向上のための総合的研究班 編, フォン・ヒッペル・リンドウ病診療の手引き(2024年版), P22-25, 2024

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